2002年2月25日
静岡県知事 石川嘉延 様
静岡空港・建設中止の会
1 2002年度予算案、新「財政健全化への取組と今後の方向」をどうみるか
(1) 2月19日県当局は、一般会計1兆1920億円(伸率△9.8%、実質△3.2%)の来年度予算案を発表した。この3年連続のマイナス予算は、悪化する経済情勢と県財政の危機的状況を反映したものである。それにともない、事業数は2200から1500まで絞り込まれた。
(2) この予算案編成過程の12月10日、知事は、800億円の財源不足が見込まれると発言し、危機感を訴えた。しかしその2週間前の11月26日には静岡空港専門家委員会が「空港建設は県財政上問題なし」と結論を出したことを受け、知事は工事再開を決めた。このような使い分けは、県民の納得をえられないことである。
(3) 予算案といっしょに発表された「財政健全化への取組と今後の方向」(以下「方向」)は、昨年来の「財政健全化計画」の目標を大幅に変更するものであると考えられる。県は中期見通しとして、02年度から06年度までを5つのケースに分けて分析をしており、経常収支比率、起債制限比率、県債残高など、どのケースも改善に向かうとしている。
その5つのケースは、
経済成長率 交付税
ケース1 1.25%〜2.5% 経済成長率に連動(従来推計方法)
ケース2 1.25%〜2.5% 伸び率0(需要特殊要因のみ考慮)
ケース3 0.5% 経済成長率に連動(従来推計方法)
ケース4 0.5% 伸び率0(需要特殊要因のみ考慮)
ケース5 0% 伸び率0(需要特殊要因のみ考慮)
ハ
である。これらの経済成長率は財務省の試算に基づいた値をとっているが、ケース1,ケース2は論外であり、「住民投票の会」で昨年9月に需要予測をした際、0.9%〜1.0%としたが、その後の経済状況の推移からして、それでも多い数値と考えられる。これまでも毎回政府の経済成長率を採用しているが、それはその都度大幅に下方修正されている。
また地方交付税の推移についても、経済成長率に連動(従来推計方法)、伸び率0(需要特殊要因のみ考慮)の二通りで計算しているが、後者をとった場合でも、01年度の2,025億円から06年の2,635億円と1.3倍化している。いずれにしても地方交付税は、交付税会計において地方が負担する借入金残高は、1年分の交付税総額を大幅に上回っており、いずれ大幅な見直しは避けられないだろう。したがって経済成長率、地方交付税の値とも大きすぎるのではないかと考える。
(4) しかも「方向」は、これまでの財政健全化計画が、財源不足額の解消を意図して立てられているにもかかわらず、これは経常収支比率、起債制限比率、県債残高の数値の改善のみを目標としている。財源不足額は、2006年の時点で、ケース1,ケース2の場合のみしか解消されず、ケース1,ケース2は、経済成長率の点で考えられないものであるので全く問題にならない。いずれにしてもこの5年間だけで、財源不足額の解消が完結しないほど、財政の行きづまりの状態が進行している。
(5) しかも県は、公債費の借換分を一般会計から繰り出して特別会計で収支することを来年度から実施しようとしている。これは公債費の一定部分(昨年の「財政健全化計画」において2003年度では915億円、公債費全体の34%)を他会計で処理するため、一般会計にしめる公債費は、少なく見える。これは空港建設が原因で公債費が増えることを、県民に見えにくくし、批判をかわそうとするものである。財政健全化の最中であり、指標の変化が健全化の度合いを現すだけに、唐突な変更はするべきではない。
(6) こうした流れは、来年度予算編成においても大きな影響を及ぼしている。これから検証しなければならないが、県民サービスカット、市町村への補助金カットがひきつづき行われていることは明らかである。ゼロ・ベース予算というのは、これまでの5%カットをさらにそれにとらわれずにカットするという意味で、これまでの度重なるカットの中で、福祉、医療、衛生、身近な公共事業など、よりいっそうの県民サービスのカットが心配される。
(7) これらのことから考えると、県民にその建設の是非を問うことができなかった静岡空港に、来年度も155億円余の予算を使うことは納得できない。以下の通り空港予算を削って県民サービスを充実する要求を提出するものである。静岡空港はこれからも1000億円近い建設費を要する。それに加えて、開港後の運営費でも赤字は必至である。県は開港した場合の空港利用について、100万人で採算がとれることで「赤字にならない」としているが、私たちの需要見込みの試算では70万人以下、運賃を加味すれば40万人以下である。この運営費の赤字や建設のための借金は、将来の県財政に、重い負担をもたらすものと考えられる。
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2 2002年度予算案等に対する要求
(1) 財政健全化をはかるため、不要不急の大型公共事業の凍結、抜本的見直しを行うこと。とりわけ静岡空港は建設を中止すること。
(2) 再来年度以降の財政健全化債の活用を取りやめ、県民諸要求の実現をはかること。
(3) 来年度の静岡空港建設にかかる予算、155億6500万円を取りやめること。空港建設基金(2001年度末、120億7417万円「平成13年度予算の説明」:静岡県財政課編)を廃止し、一般会計に繰り入れること。空港関連の起債を取り止め、本体部分の補助金8億円は、国へ返上すること。
(4) 上記の予算で30人学級実現の段階的実現、当面は小中高の第1学年の実施、特養ホーム待機者(5600人)解消のため、その建設を積極的に進めること。
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