新需要予測について

県民の実感からかけ離れた予測


静岡空港・建設中止の会

県は、3月28日に第4回需要等検討委員会を開催し、国内線4路線、104万人から111万人、国際線9路線、33万人という新たな需要予測を出しました。

これまで178万人(7路線、旧運輸書へ提出)といっていたものが、121万人(6路線)となり、今回110万人前後(4路線)と、バナナのたたき売りのように数値が変わってきました。

しかし今回も、総じて県民の実感からすれば、依然として過大な需要予測であることは変わりないと考えます。

たとえば、この新需要予測によると、

三島の人が札幌へ行くのに、

●静岡空港を利用 65.7%、●羽田空港を利用 34.3%

静岡の人が札幌へ行くのに、

●静岡空港を利用 97.7%、●羽田空港を利用 2.3%

浜松の人が札幌へ行くのに、

●静岡空港を利用 97.7%、●新中部国際空港を利用 2.3%

(いずれも業務利用)

こんなことがありえるのでしょうか。県民の実感からかけ離れています。

県外の人で、静岡県のことをよく知らない人がつくったとしか思えません。

また、

国内線4路線、国際線9路線、こんないびつな空港は他にありません。

私たちはこれまでの県の需要予測について、

(1) GDPの値が高すぎる、
(2) 近隣空港の便数差を考慮していない、
(3) 価格の値下げ競争を考慮していない

ために、県民の実感よりも過大な需要予測となっていると指摘してきました。上記のようなデータでつくられている110万人の新需要予測の前提・方法を、その論点に沿って指摘したいと思います。

なおこれはとりあえずの見解で、今後もう少しまとめたかたちで公表します。

1 依然として高い経済成長率
GDP成長率1.5%〜1.9%は、県民の実感からすれば依然として高いと考えます。

2 モデル式の信憑性に疑問−便数の考慮ができたのか?
近隣空港の便数差を加味するということが、今回の需要予測再試算のポイントと考えますが、その手法として「パラメータの推計結果」についての説明が委員会の中でありません。委員会の中で岡山や福島などの類似空港のアクセス実績をもとに、「選択可能性のあるサンプルを中心に採用した」としていますが、その内容が県民に対してきちんと説明されておらず、反映のされ方がわかりません。これはその他の「パラメータの推計結果」にもいえることで、どこからその数字を持って来たのか説明がありません。

@ モデル式のパラメータを具体的にどのようなサンプル(標本)から算出したのか不明
A これでは恣意的にサンプルを抽出したといわれても仕方がありません。
B したがってモデル式の信憑性に疑問を感じます。

3 不当な価格設定−もともとの価格設定が低すぎる
すべての基準となる静岡空港からの価格が、不当に低く設定されている。札幌便を例に説明します。

@ 静岡空港の通常運賃が羽田と名古屋の価格のみを元に(距離按分で)設定されている。



  路線 片道通常運賃(円) 距離(キロ)
東京 − 札幌  25,000   822
名古屋− 札幌  28,400   946
静岡 − 札幌  28,200   940

A 羽田と名古屋の価格は距離の割には他空港に比較しても安い。(これは需要や競争があるからで、それに反して地方空港は高い)

B 結果、静岡空港の通常価格が規模・距離からして不当に安く設定されている。(小松空港−札幌よりも静岡−札幌の方が距離あるのに安いという矛盾が発生、小松から推計すると、数千円安い、これでは静岡空港を選択する割合が多くなるはずである)

  路線  片道通常運賃(円) 距離(キロ)
新潟  −札幌  25,000    594
福島  −札幌  26,000    645
富山  −札幌  29,000    793
東京  −札幌  25,200    822
小松  −札幌  31,000    853
静岡 − 札幌  28,200    940
名古屋− 札幌  28,400    946