生活実感からかけ離れた

新需要予測では、県民は納得できない


2003年4月18日
静岡空港・建設中止の会

県は、4月17日に第5回需要予測等検討委員会を開き、国内線4路線、97万人から109万人、国際線9路線、32万人という新たな需要予測を出した。県はこの新予測により、検討したどのケースでも黒字を出すといっている。
しかしその内容を見ると、三島の人が札幌へ行くのに静岡空港を利用が65.7%、羽田空港を利用が34.3%、静岡の人が札幌へ行くのに、静岡空港を利用が97.7%、羽田空港を利用が2.3%、浜松の人が札幌へ行くのに、静岡空港を利用が97.7%、中部国際空港を利用が2.3%(いずれも業務利用)というように、ふだんの県民の実感から遠くかけ離れたものとしかいいようがなく、したがって県民を納得させるものでは決してない。
この需要予測は、これまで県民が批判してきた近隣空港の便数差、割引運賃の反映などを前提としたもので、方法としての妥当性は一定あると考えるが、そのデータの条件の設定にいくつもの大きな問題が指摘できる。それは@静岡空港を安く、近隣空港を高く設定した運賃、A静岡空港へは短く、近隣空港へは長いアクセス距離と時間、B静岡空港は多く、近隣空港は少なく見積もった航空便数などの結果、静岡空港の需要が過大となったと考える。これは県が、100万人=採算を確保するために、さまざまな前提条件を都合のいいようにいじってきたとしか考えられない。これらの設定を正しく実際に即して計算すれば、利用者は数十万の単位で減少し、赤字になることは確実である。
こうした意図的ともいえる予測を承認した需要予測等検討委員会の責任は大きい。
離島や新幹線が通っていない不便な地域においては、県民の交通権を確保する意味で、たとえ赤字であっても空港の設置は県民合意となりえる。しかし静岡県のように新幹線はある、他空港へのアクセスはいいという地域において、赤字でも空港を持つべきということは、とうてい県民合意にはなりえない。
こうした需要予測では、県民の納得は決して得られない。もし空港建設を進めたいというならば、需要予測をやり直すべきである。しかしいくら需要予測を行っても、現実をきちんと反映させなければ同じ結果となることは目に見えており、県民の納得が得られないならば、潔く空港建設は中止とすべきである。