|
|
これは、2月18日に島田市で開催された静岡空港に関する「公聴会」で発言したものに加筆、修正を加えたものです。
2005年2月18日
静岡空港・建設中止の会事務局長 飯尾 雅彦
浜松市に住んでおります飯尾といいます。静岡空港建設中止の会の事務局もしています。最初にお断りしておきますが、県に対する質問は時間の関係で割愛させていただきます。
私の意見についての結論を最初に申し上げます。その後、時間の許す範囲でその根拠・理由を説明したいと思います。
(1)土地収用法第20条4項の「公益上の必要」については、106万人の需要予測が明らかに水増しであり、費用対効果、需要予測、県民合意の3つの観点から、とても公益上の必要性はないと考えられること。
(2)同法20条第2項「起業者の充分な意志と能力」については、現在の静岡県財政の現状からみて、建設費だけではなく、開港後の運営にかかる赤字補填について、「能力」があるとは言えないこと。
(3) 大型公共事業について、『見直し』の議論が出されている今日、税金の使い方が県民から厳しい目がむけられている。バブル前の空港建設計画を強引にすすめようとする、ムダな公共事業の象徴的存在である静岡空港建設事業は、県民の納得は得られていない。したがって、事業認定の要件を満たしていないため、土地の強制収用はできないと考える。このことが、私の意見の結論であります。
その理由について、説明します。
氈@土地収用法第20条第4項に関するところからはじめます。
第1点目は、「公益性の必要」にかかる観点から、空港建設をめぐる大手航空会社や国の考え方はどうなっているのでしょうか。
(1) 1990年7月に航空大手3社は旧運輸省に要望書を提出しました。
@ 羽田・成田・関空の三大プロジェクトを最優先する
A 空港整備の財源に一般財源の比重を高める
B 地方空港新設の再検討と(建設費の)地元負担の拡大
つまり、航空大手3社も新規地方空港は必要ないと言うことです。
理由 空港整備は国主導で行なわれるが、その原資の空港整備特別会計のほとんどは利用客(航空会社と旅客)から徴収される空港利用料や税金(燃料税など)でまかなわれるので、整備の予算が増えると利用料の負担が重くなる。したがって、利用客の少ない空港の増加は航空会社の負担がます。
(2) 2001年に、『国』は、2003年度からはじまる第8次空港整備5カ年計画で第3種空港の新規着工を原則的に凍結の方針を打ち出しました。
つまり、「拠点空港整備を優先し、地方空港整備は抑制する」と国の方針転換をしました。
新規空港の見直しで静岡、能登、神戸の駆け込み着工を認める
佐渡、びわこ、福井、石垣島(空港拡張)、小笠原諸島の構想を凍結
第2点目は、需要予測についてです。この予測に基づく費用対効果は、事業認定の判断する上で、極めて重要な事項であると考えられますので、数字が続きますけれど、説明させていただきます。
昨日オープンした中部国際空港の影響は、静岡空港にとってダメージが大きいと思いますが、静岡県はそうは考えていないようです。
資料をご覧下さい
浜松周辺の市民が、浜松から札幌へ行く場合の空港選択率は、業務目的 静岡空港 97.7% 中部国際空港 2.3%、観光目的 静岡空港 89.9% 中部国際空港 10.1%が利用するとしています。
浜松市民が札幌に飛行機で行く場合、中部国際は利用せず、業務目的では、ほぼ全員が静岡空港を利用する、観光目的でも9割の人が静岡空港を利用することになっています。
次はアクセス時間についてです。バス利用の場合(業務目的・観光目的)で、県の説明は、浜松 ⇒中部国際空港まで、207分かかることになっていますが、浜松市に本社がある遠州鉄道が、浜松駅と中部国際空港「セントレア」を結ぶ直行バスの運行案内のチラシが野中で、浜松駅から120分、浜松西ICより85分、浜松駅発、空港22時まで、1時間に1本運行するとしています。87分の誤差=ゴマカシがあります。
遠州鉄道のチラシは「安い・早い・快適」と宣伝しています。私もそう思いますが、みなさんはどう思われるでしょうか。
中部国際空港は札幌便(新千歳)13便を含め国内24都市週658便、700万人、海外便は25都市週271便、500万人、合計1200万人の需要予測を見込んでいます。とてつもないメガ空港です。
県は、すみわけすれば大丈夫といっているようですが、そんな甘いものではありません。静岡空港が仮にオープンしても、中部国際空港に飲み込まれることは、明らかです。
第3点目は需要予測の再試算についてです。中止の会が、昨年12月に発表した需要予測の再試算についてポイントのみを図表も使いながら、簡単にご説明します。前提として、県が106万人の需要予測のすべてのデータの公表を事実上、拒否しているので、一定の限界もありますので、若干の数字のブレがあることを最初にお知らせしておきます。
<県の需要予測はどうのように作られたか>
県の106万人という需要予測の数字は、事業を継続させるために大幅に水増しされたものであることが判明しました。からくりは主に次の2つです。
第一は、需要予測に際して用いられた航空データの改ざん。県は平成12年度全国幹線旅客純流動調査当日の数字を悪天候のため「特異値」であるとして、平成7年度のそれを用いて補正し、静岡県と全国の間の流動量を大幅に水増しさせたのである。さらに、最終的な開港年における交通量はこれを基にさらに割増され需要予測が行われました。
第二は、旅行者の空港選択にあたって、試算の前提条件である運賃設定やアクセス方法・時間設定、就航予定便数等を「静岡空港には有利に、羽田・中部国際には不利に」設定した点です。
その仕組みは表1をご覧下さい。静岡県と北海道間交通量では、平成12年交通量27万人を補正と称し51万人に水増ししています。また、人口増とGDPを基に自然増を加え開港年51万8千人の交通量に、さらにこれに空港整備などによる需要増(誘発需要)を基に算出し、最終的には65万5千人としました。実に平成12年実績に比べ2.4倍にも膨らんだ交通量予測に基づいて静岡空港と新千歳便の需要50万人が生まれたということです。
表1
| 静岡県 ⇔ | 12年交通量実績 | 12年補正 | 18年交通量 | 18年交通量 | 18年航空 | 18年県の静岡空港需要予測 |
| (水増率) | (自然増率) | (誘発増率) | (航空分担) | |||
| 北海道 | 270千人 | 510千人 | 518千人 | 655千人 | 647千人 | 新千歳 |
| (+89%) | (+2%) | (+27%) | 0.991 | 50万人 | ||
| 福岡県 | 393千人 | 379千人 | 391千人 | 425千人 | 184千人 | 福岡 |
| (−4%) | (+3%) | (+9%) | 0.435 | 24万人 | ||
| 鹿児島県 | 80千人 | 119千人 | 125千人 | 160千人 | 151千人 | 鹿児島 |
| (+49%) | (+5%) | (+28%) | 0.946 | 17万人 | ||
| 沖縄県 | 89千人 | 93千人 | 100千人 | 132千人 | 131千人 | 那覇 |
| (+5%) | (+8%) | (+33%) | 0.986 | 15万人 |
さらにここで、注目すべきは新千歳路線では道県間需要よりも少ない需要でありながら、他の3路線では何と静岡県民全てが使うよりも多い需要予測結果となっている点であす。さすがに北海道については、羽田は函館から紋別まで道内全域に路線があるので、全国からも羽田経由で利用するくらいであるため道内需要をすべて静岡空港からとはいかなかった65万5千人を50万人となっています。県が今回の需要予測で愛知、神奈川、山梨、長野の155市郡区を「静岡空港の利用が想定される地域」として拡大設定し、羽田空港や中部国際空港よりも安い航空運賃とそれら空港アクセスの不利な設定により、他県からの需要を大きく見込んでいる実態がよくわかります。
表2は、豊橋の人も40%の利用があることになっています。
表2県需要予測における県外各都市の新千歳便空港選択確率(県公表)
|
|
|
|
|
|
| 小田原市 |
14% |
86% |
0% |
0% |
| 甲府市 |
48% |
36% |
0% |
16% |
| 豊橋市 |
40% |
0% |
60% |
0% |
県は、これら他県の市郡区の流動量や航空分担を明らかにしていませんので、、利用者数の全容は不明です。しかし、他県からの利用者数(需要)も水増ししています。
新千歳便の異常な多さは、表3で明らかなように、平成12年度の流動実績を基に作られた静岡空港需要予測と近隣空港実績の路線別旅客数構成比率(*数字で見る航空2002収録の平成12年度旅客数)の比較から、県の需要予測の妥当性を疑わざるを得ません。
表3

<実際の需要はどのくらいか>
(1) 方法について
県の需要予測値をベースにしてこれを算出するために作為的に割増したものを控除していく方法により算出した。
控除するものは流動量(交通量)水増、運賃・アクセスによる水増のほか、従業人口を基にはじき出した誘発需要が、本社機能の多い東京や名古屋と同じ誘発効果としてよいか、元々交通利便性のそれほど低くない静岡県で考慮すべきほど発生することには疑問があるためこれを控除した試算も行った。
路線成立の可能性についてであるが、1便程度の需要となればどちらか一方にとっては不便な路線とならざるを得ないため原則不成立とした。ただし、沖縄については時期的観光需要が主であるため一応成立を認めている。
また、本来ならば他県からの需要を控除し、これらの空港選択比率を求めるべきであるがその実態が明らかでないため、これらも割戻し前の需要に含めている。
(2) 結果について
結果は表4のとおりです。
表4
(その1:交通量による水増及び運賃・アクセスによる水増しを控除…運賃・アクセスの控除率は「静岡空港・中止の会」が昨年4月に発表した「感度分析」で採用した33.8%)
| 静岡⇔ | 新千歳 | 福岡 | 鹿児島 | 那覇 | 合計 |
| 需要(往復) | 18万人 | 16万人 | 8万人 | 10万人 | 51万人 |
| 便数 | 1〜2便 | 1〜2便 | 1便 | 1便 | 4〜6便 |
(その2:さらに、誘発需要を控除)
| 静岡⇔ | 新千歳 | 福岡 | 鹿児島 | 那覇 | 合計 |
| 需要(往復) | 14万人 | 15万人 | 6万人 | 7万人 | 42万人 |
(その3:これに路線の成立可能性を考慮した結果)
| 静岡⇔ | 新千歳 | 福岡 | 鹿児島 | 那覇 | 合計 |
| 需要(往復) | 14万人 | 15万人 | 不成立 | 7万人 | 36万人 |
| 便数 | 1〜2便 | 1〜2便 | 0便 | 夏季1便 | 3〜5便 |
(3) 妥当性について
この結果、平成12年度の流動実績を基に作られた静岡空港需要予測と平成12年度の近隣空港実績の路線別旅客数構成比率との比較は表5、表6のとおり妥当なものとなりました。これを、県の予測と鹿児島を含めた会予測と近隣の名古屋空港実績との3者比較でも実態に合致しています。
表5
36万人予測と近隣空港実績(12年)構成比比較

表6
県予測と会予測と名古屋空港実績

まとめ
以上のことから、静岡空港の県需要予測である4路線、14便、106万人需要は達成不可能な「夢」に過ぎません。現実は、開港しても3路線、3〜5便(すべて小型機)、36万人程度の需要が静岡空港の需要予測すなわち路線成立可能性としては妥当なものであるという結果となります。
第4点目は費用対効果についてです。
空港の場合の費用対効果の算出方法やその意味について説明させていただきます。
具体的には、時間短縮などによる利用者の便益を貨幣価値に換算したものと、空港の建設費や維持管理費、騒音対策などの経費を開港時から30年ないし50年の期間分で算出。便益が費用を上回るかどうかが事業化の判断の目安になる。需要予測(利用者)の増減が決定的に重要な要素となります。
県に説明よれば、106万(1.3)、86万人(1.0)。浜松での具体的事例やいままでの問題点で明らかなように、中部国際や品川駅の開設などによる新たな状況のもとで、36万人(0.41)以下という結果が妥当です。
費用対効果が1.0を下回る事業であれば、国土交通省の事業再評価の際にも事業の継続は当然認められなかったものであると考えます。
資料をご覧下さい。新聞記事2枚
参考までに、びわこ空港は、2001年の国土交通省の地方空港建設の見直しで、開港が認められませんでした。当時の運輸省黒田事務次官は、1999年3月24日の新聞インタビューにこう答えています。
※ 黒田事務次官 「公共事業をはじめるときには、費用と便益と比較する。その結果はじめるのかやめるのかの判断をし、費用対便益(効果)の検証でバツになる」「一般論だが、あった方がいい施設となければならない施設は区別する。オラが県にもあった方がいいというのでは難しい。もともと空港整備に使う財源がない」と本音を率直に語っていると思います。
土地収用法第20条第2項の「意志と能力」の観点で県財政について
第1点目は、県財政についてです。県のH17年度予算案が発表されました
が、予算額が約1兆1千億円、借金がおよそ2兆円という状況の中で、国の三位一体の影響もあり、財源不足額が500億円と発表。昨年は、約500億円の財源不足額を基金の取り崩しで予算を編成。今年も基金等の取り崩し、なんとか予算を組みましたが、基金残高は55億円にすぎず、『火の車』の財政状況は依然として変わりありません。
先の大手航空会社は赤字が予想される地方空港建設には消極的です。仮に赤字覚悟の空港建設となれば、地元つまり静岡県に負担を求めることは、先に述べたとおりです。
第2点目は、実際に全国の地方空港がどんな自治体の助成制度が行なわれているのかを説明します。
5つの空港の実態が記載されていますので資料ご覧下さい。
<自治体の助成制度>
福島空港
・ 旅行業者への補助 空港利用促進対策費 02年度 2億円
・ 空港使用料(着陸料。駐機料) 沖縄線1/6 その他1/3に軽減
・ ナイトステイに対しては、乗務員の空港ホテル間の送迎、ホテル宿泊代も負担
山形空港
・ 一連の支援策の総額は年間で最大3億円を県が負担
・ 例えば、空港ビル使用料の減免(年間3千万円)
・ 搭乗率70%を基準にしたまわれば補填
第3点目は、県財政の悪化の結果、県政に大きな歪みができていることです。
具体的には、「民生費」が47都道府県中45位、「衛生費」同45位、「社会福祉費」47位、「老人福祉費」46位、児童福祉費44位、「教育費」も42位という位置にあり、安心して県民は暮らすことはできません。
県民アンケートによれば、一位は「高齢者や障害のある人などの福祉施策の推進」が38.7%です。一方「空港建設(道路・港湾を含む)」の設問では、12.8%に留まり、14位となっています。県民が何を期待しているのかは、アンケートでも明らかです。
第4点目は、経済効果及び雇用増大効果についてです。
県議会や記者会見などで石川知事が静岡空港の開港を急ぐ理由として強調している開港時の経済効果500億円及び雇用増大効果8千人について述べたいと思います。
知事は強制収用を決断後の昨年11月の記者会見で「空港開港に伴う経済効果について、年間500億円プラスアルファ、また、雇用の創出8千人という推計も得ていることを考えると、一層、その感を強くしたところであります。」、その感というのは強制収用のことですが、このように述べ、また、翌12月の県議会においても、「なぜ開港を急ぐかというと、開港をした場合には、年間の本県経済への経済効果は、500億円プラスアルファと見込まれております。雇用機会の増大が8千人とも見込まれております。このような大きな効果が見込まれる事業、これは、1日も早い開港こそ必要であるわけでありまして、これに向けて全力を傾ける考えでございます。」と述べ、強制収用やむなしを強調しているところであります。
県の経済波及効果の資料を見ると、ホテル・旅館への消費拡大が大きな比重を占めます。さて、ここで、皆さんに一つ考えていただきたいのですが、もし皆さんが旅館経営者だとして、毎年利用してくれる馴染みの団体のお客さんが羽田経由から静岡空港経由で来るようになったとして、旅館経営者である皆さんにとって売り上げ増などの経済効果があったといえるでしょうか?・・・・・
お客さんがどこを経由して来ようが、旅館としては客数や単価に増減がない限り売り上げ増大効果はないはずですね。もちろん、雇用を増やす理由もない。
ところがです。
静岡空港の経済波及効果、雇用効果の計算ではこういった実質増減のないものまで経済効果、雇用効果の計算に入っているのです。
しかもそのお客の単位が10人とか百人ではありません。百万人単位の旅客が他空港利用から静岡空港利用になるとして、これを基に旅客の宿泊費、食費、土産代、県内移動交通費など数万円単位で効果として計上しているのですから計算上数百億円単位の効果などという規模になるのは当然といえます。
だったら、羽田などからの旅客減少分を差し引けばいいじゃないかと思いますが、もちろん県はそんなことはしていないわけであります。
つまり、県の主張する経済効果とは「新しい財布を買って古い財布から5万円を移し替えたとしたら新しい財布には5万円の増収効果があった」というような荒唐無稽の代物です。あまりに現実離れした経済効果の考え方ではありませんか。
また、こういった事実を県は知らないのかといえばそんなこともないのです。
経済効果の計測の報告書中にこのような記述があります。
「本来『地域経済効果』は空港整備に伴う『静岡県内に発生する粗付加価値額の増加額』として把握を行うものであるが、従来の『空港整備による地域経済効果(供用効果)』は、空港利用に関連する地域経済効果として他の交通機関から航空に転換してきた旅客の消費活動による地域経済への効果を含めた計測を行っていることも多く、本調査においてもこの考え方にしたがった計測を行うものとする。」
つまり、増加分だけでなく転換分を含めると明記されており、しかも静岡空港の経済効果計測にあたっては、JRなどからの転換分だけでなく羽田や名古屋からの転換利用客の県内消費などの経済効果をも計算に入れていることが私たちの検証の結果明らかになっています。
さらに、報告書中には
「このうち静岡空港を整備しなかった場合と比べて県内総生産が純増するのはア及びイの効果であり、これにウ及びエの効果を加えた合計が、空港利用者による経済効果である」
との記述があり、純増分が一部であることがはっきりと明記されているのです。
註:ア静岡空港後背圏に居住する旅客の移動コスト削減等、イ空港管理者、ウ相手空港後背圏に居住する旅客の静岡県内における消費、エ空港関連産業
にもかかわらず、これらを控除した純増分だけを言わないのはなぜでしょうか。
それは、この純増分が全体の2割程度にすぎず、その他の増加が見込まれる細目を集めたとしても全体の3割程度にしかならない、つまり架空効果がなんと7割を占めるという事実があるからです。
しかも、残る3割とて、過大な需要予測を前提とした計算、また、コスト削減効果積算にあたっての、その過大な需要予測の際にすら設定しなかった競合空港の新幹線料金をわざわざ繁忙期とするなどの涙ぐましい水増し努力で膨らませたものであり、とても信用に値するものではありません。
私たちの試算、−これとて航空会社が無条件で来てくれるという甘い前提ではありますが−、これによれば500億どころかその3%にも満たないの13億円になり、雇用効果も200人程度にすぎません。
しかもこの7割は航空会社の就航やターミナルビルの営業による従業員の雇用や売上が占め、直接的な利益である利便性の利用者利益と着陸料等の空港管理者利益は合わせても2億円に届かず、波及効果を加えても4億程度であります。
これは、現在進行中の空港建設事業の経済効果、雇用効果が年間193億円、2,600人という県の推計よりも小さいものであり、空港完成を急ぐよりも、細々と工事を続けていった方がまだましではないかとさえいいたくなるような効果にすぎず、財政難の折、知事の言うような、建設を急ぐ理由などには到底なりえません。
また、空港管理上の赤字に加え、航空会社の引止めやターミナルビルの営業てこ入れなどにさらなる税金投入となる可能性は十分予想できます。
したがって、私たちとしては、強制収用などと言う強権発動で建設を急ぐのではなく、不幸中の幸いとでも言うべきでしょうか同地が未だ空港の形を成していないのでありますから広く募った代替案を含めた再検討を行い、住民投票などで県民の意見を聞き、慎重に事態の打開を行うよう意見するものであります。
<参考:知事発言>
(買収に応じた人たちの期待などを考え)任意による買収交渉だけという用地取得にも、このあたりで一定の区切りをつけるべきであると考えたところであります。
加えて、空港開港に伴う経済効果について、年間500億円プラスアルファ、また、雇用の創出8千人という推計も得ていることを考えると、一層、その感を強くしたところであります。(記者会見2004.11.12)
なぜ開港を急ぐかというと、開港をした場合には、年間の本県経済への経済効果は、500億円プラスアルファと見込まれております。雇用機会の増大が8千人とも見込まれております。
このような大きな効果が見込まれる事業、これは、1日も早い開港こそ必要であるわけでありまして、これに向けて全力を傾ける考えでございます。(県議会2004.12.06)
いままで説明したような理由により、需要予測、費用対効果・地域経済効果などすべて説得力はありません。したがって、到底認めることはできません。さらに建設費だけではなく、維持費にも新たな税金投入が予想されることは、明らかです。
私の意見の結論です。土地収用法第20条第2項、第4項の要件をみたしていません。静岡空港建設事業は、ただちに中止すべきです。ましてや、憲法第29条『国民の財産権』を奪ってまで、すすめるべき事業ではありません。
したがって、土地収用法に基づく『強制収用』はできないという結論しか出てきません。事業認定にあたっては、国土交通省は『却下』すべきであると考えます。
最後に、事業認定庁である『中部地方整備局』の担当官のみなさんが、県の資料をそのまま鵜呑みにせずに、幅広く静岡県民の意見に耳を傾け、公平公正な審査をお願いして、私の公述を終わらせていただきます。