| 静岡空港・住民投票請求1周年に際して 建設中止を求める運動の決意を新たにします |
2002年6月18日
静岡空港・建設中止の会
約27万人分の署名とともに「静岡空港建設の是非を問う住民投票条例」を請求してちょうど1年がたちます。中断されていた静岡空港の建設工事は1月に再開されましたが、県民合意をとることができなかったこの事業は、目標の2006年どころか開港そのものの目途がたたない状態にあると考えます。そして県は、その認識において県民との距離をますます広げています。
一つは、県財政が財源不足額を解消する(収支均衡する)目標を放棄するほどたち行かなくなっていることです。「財政健全化計画(平成13年2月19日)」には、「財政健全化の目標」として「平成16年度に収支均衡」をあげているにもかかわらず、「財政健全化への取組と今後の方向(平成14年2月19日)」ではその目標を放棄し、平成16年度に130億円から408億円の財源不足額が生ずることとしています。これは県財政の明らかな悪化を示しています。また公債費において、今年度から借換債を特別会計で処理することによって、財政健全化中には何よりも同じ基準で指標を比較しなければならないのに対して、経常収支比率も起債制限比率も違う前提で比較をするために、客観的なものとはなりえません。これでは11月26日に静岡空港専門家委員会が下した結論の「昨年策定された財政健全化計画は、今後予定される空港整備事業費を見込んだ上で、経常収支比率や起債制限比率などの財政指標の健全性を保ちつつ収支均衡を図る内容となっており、また、県の投資的経費に占める空港整備事業費の割合を見ても、空港整備が県財政に多大な影響を与えることはないと思慮される。」という結論の、前提が崩れてきているといえます。
しかも私たちが行ってきた「静岡空港建設より私の願いの実現を」で示されるとおり、空港建設よりもっと生活に身近なものに税金を使ってほしいという切実な願いが示され、県当局は何よりもその声に謙虚に耳を傾けなければなりません。
二つ目には、県民がいちばん疑問に思っている需要予測について、説得力のある説明がされていません。最近新聞で公表された国土交通省の調べでも、51空港が需要予測よりも実績が下回っています。国土交通省はその中で、「七次空整の予測値は、近接する空港や高速道路との競合関係を考慮しなかった」ことをあげており、これまでの私たちの主張の正しさを裏付けています。総務省も昨年5月に出した「空港の整備等に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」の中で「運航便数も分析要素とした予測方法」が必要としていますが、これにもとづかない需要予測では県民は納得できません。
また経済波及効果についても専門家委員会は、「空港の需要の問題とは別に、県内GDPの押し上げ効果や県税をはじめとする税収効果、雇用の創出効果など空港がもたらす地域経済に与える効果は、地域経済戦略の観点から十分な成果が期待される」としていますが、あくまで過大な需要予測の上に立った数値にすぎません。
三つ目は、県は土地問題の解決ができないどころか、その取得がますますむずかしくなっています。多くの県民による住民投票請求が支持されたことで、土地を売らないとがんばっている地権者は、単に個人的思いで売らないとしているのではなく、自分たちの後ろに何十万、何百万の人たちがいることをしっかりと確認しているからです。県は、こうした状況を克服して土地を取得する展望をいっさい示していません。
このように静岡空港の建設に対する県民の疑問は、ますますふくらむばかりです。これは県民の思いがあれほど盛り上がったにもかかわらず、住民投票を実施しなかったことによっています。ここに住民投票条例案を否決した県議会自民党と、それを積極的に推進しなかった知事の責任をあらためて問いたいと思います。
私たちは空港建設の是非は県民に判断させてほしいと請求しましたが、県議会は県民が納得できない理由をつけてそれを拒否しました。住民投票もやれないような静岡空港建設は県民合意がない事業であり、私たちはこの1周年の節目を機に、ますますその中止に向けた運動を決意を新たにして進めていくことをここに表明します。